2025年4月法改正について2-所定外労働の制限対象拡大

第2弾は「所定外労働の制限対象拡大」について詳しく取り上げます。

対象範囲が拡大されます

そもそも所定外労働の制限とは、平たく言えば「残業を免除する」ということです。会社が就業規則等で定めている労働時間を所定労働時間といい、所定労働時間を超えた労働のことを所定外労働といいますが、それを制限しなければならないのが「所定外労働の制限」になります。

例えば「1日の所定労働時間が7時間30分」なのであれば、それを超えた労働をさせることはできません。現状では、「3歳未満」の子を養育する労働者から請求があった場合、会社は「事業の正常な運営を妨げる場合を除いて」認めなければなりませんが、2025年4月以降は「小学校就学前」の子を養育する労働者へと対象範囲が拡大されます。

所定外労働の判断に迷う場合には

「事業の正常な運営を妨げる場合」はどのような場合を指すのかというと、例えば単に、当該労働者に所定外労働をしてもらうことが業務上必要だという理由だけでは足りないとされており、当該労働者の担当する作業の内容、作業の繁閑、代替要員配置の難易などの諸般の事情を勘案して客観的に定める、とされています。

このあたりの判断基準は個別具体的な事情によるところも大きいと思われますので、判断に迷う場合には各都道府県の労働局雇用環境・均等部へ相談されるのが良いでしょう。当然のこととはなりますが、当該申し出を受けたからといって、その労働者に対し解雇や減給など不利益な取り扱いをしてはいけません。

労働者からの申出については、回数の制限はなく、条件に合致する労働者であれば何回でも請求することができます。また1回の申出につき制限対象とする期間を1か月以上1年以内、開始予定日と終了予定日を明らかにした上で、開始予定日の1か月前までに会社に申し出てもらう必要があります。

 以上、2025年4月より施行される「所定外労働の制限対象の拡大」についてご説明いたしました。

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