2025年4月法改正について-3 看護等休暇

第3弾は「看護等休暇」についてです。これまで「看護休暇」として運用されていた制度を、取得理由や取得対象を拡充し、名称を変更したものになります。

元となっている「看護休暇」とは育児介護休業法で定められた制度で、労働者の子どもが病気やケガ等した場合に、必要な世話をするための休暇として認められるものです。有給休暇とは別に与える必要があり、1年度において5日(対象となる子が2人以上の場合は10日)を限度として取得することができます。また、雇用形態による制限はなく、パート・アルバイトであっても条件を満たせば取得できます。


 今回の改正事項をまとめると以下の通りです。赤字が変更される部分となります。

改正されるのは大きく3点

まず、休暇を取れる対象となる子の範囲が拡大されます。これまではいわゆる未就学児が対象でしたが、それが小学校3年生修了までの子へと拡充されます。

また取得事由も拡大され、感染症の流行に伴う学級閉鎖時や、入園入学等の式典にも使用できるようになりました。かつて新型コロナウイルスが流行した際、学校が長期間閉鎖されてしまい、子の面倒を見るために親が仕事に行けない。ということがありましたが、そのような事態にも利用できるようになります。

さらに、これまでは看護休暇を取得できる条件として認められていた「6ケ月以上継続雇用されていること」が、今後条件とすることができなくなります。よって、今後条件とできるのは、週の所定労働日数が2日以下の労働者のみとなります。

なお、この条件は当然に適用できるわけではなく、あくまで労使協定が必要となることに注意してください。これらのような変更がなされる結果、名称が「看護等休暇」に変更されます。

 以上、2025年4月より施行される「看護等休暇」についてご説明いたしました。

投稿者プロフィール

宮嶋 邦彦
宮嶋 邦彦代表社員 
開業社会保険労務士としては、日本で初めて証券会社において公開引受審査の監修を行う。その後も、上場準備企業に対しコンサルティングを数多く行い、株式上場(IPO)を支えた。また上場企業の役員としての経験を生かし、個々の企業のビジネスモデルに合わせた現場目線のコンサルティングを実施。財務と労務などの多方面から、組織マネジメントコンサルティングを行うことができる社会保険労務士として各方面から高い信頼と評価を得る