台風、大雪などの自然災害時の労務対応

温暖化の影響でしょうか。天気が急変し、ゲリラ豪雨が発生して交通機関が麻痺することが多くなってきています。また、ゲリラ豪雨は主に夕方以降に発生することが多く、帰宅時にぶつかることも多いのではと思います。

台風や豪雨などの自然災害が起きたときは、会社は何をすべきでしょうか。

会社は社員に対して安全配慮義務(労働契約法第5条)を負っています。よって、社員の安全に関しては最大限その危険から守る義務が課せられています。これに違反した場合、会社に損害賠償責任などが生じる場合があるので注意が必要です。

台風や大雪など、事前にその災害が予想される場合に会社が取れる措置とはどのようなものでしょうか。

自宅待機のルール作り

出勤時に自分が乗る路線が大雨で運休している。もしくは、交通機関が止まっていなくても、遅延等により駅に通勤客が多く滞留し危険な場合もあります。また、乗車した電車が途中駅で運転が不能になり、会社にもたどり着けずに足止めされることも想像できます。

 この場合は、危険回避するために、自身の判断で、交通機関の運行がある程度回復するまで、もしくは駅で人が滞留しなくなるまで、自宅待機するようなルール作りをするのが望ましいです。 この際には、遅刻または欠勤したとしても人事上のペナルティがないように、また、不可抗力によるもののため賃金を控除しないのが望ましいです。

出勤後について

台風接近や、大雪の予報で交通機関の乱れが予想される場合は、早めに帰宅させる指示を出すことが望ましいです。地下鉄など地上の天気に左右されずに運転している場合でも、会社から駅、駅から自宅までの間に風雨で怪我をすることも予想されます。よって同様に早期の帰宅を指示することが大事です。

この際にも、遅刻または欠勤したとしても人事上のペナルティがないように、また、不可抗力によるもののため賃金を控除しないこととします。

会社は明確な指示を出すべきか?

 台風や大雪の場合は、事前に予想される場合でも、路線によって状況はそれぞれですので、会社が一斉に指示を出すのは合理的ではない場合が多いのではと思います。社員それぞれが情報を集めて、その判断に任せるのが現実的ではないでしょうか。

 いずれにしても無理して出勤して、災害に巻き込まれないように、日ごろから、災害が予想される場合における出勤取扱いなどを定めて周知しておくことが必要です。

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