IPOを目指そうと決意した経営者の皆さんへ

社会保険労務士法人宮嶋社会保険事務所の所長・代表社員、宮嶋です。この数年、起業し事業が回りはじめ、人員が増えて、いよいよ単月黒字も見えてきて経営が拡大成長期に入ってきた頃、さらなる事業の飛躍を期して「資金調達しなければ」と考え、上場を目指すことを決意した。という経営者さんからよく聞かれる質問があります。

「上場審査において労務が大事って言われるけど。何から手をつければいいの?」

というものです。財務面やコーポレートガバナンスについては情報が多く出回っていますが、労務についてはあまり情報が多くありません。主な検討すべき項目はつぎの通りです。

  1. 就業規則
  2. 雇用管理
  3. 労働時間
  4. 過重労働対策
  5. 労使協定
  6. 管理監督者
  7. 賃金計算
  8. 社会保険
  9. 労働保険
  10. 雇用保険
  11. 安全衛生
  12. 健康診断
  13. 書類の保存・マイナンバーの保管
  14. 外国人雇用
  15. その他

上記のような多岐にわたる項目に対して「検討と対策、正しい運用」が必要となります。

近年、働き方改革の名のもと、法令改正がおこなわれ(または予定されており)、社会保険の適用拡大により法定福利費の増大が見込まれ、ビジネスモデルの再検討を余儀なくされる企業も多くなりつつあります。

また

「コンプライアンス順守ってどのレベル感で考えればいいの?」

上記も非常によく受ける質問の一つです。結論でいうと、コンプライアンスに抜け穴はなく、奇策もありません。

上場するとは法律を遵守し、社会規範を守ることによって、社会の一員を担うわけです。そのうえで利益を出し、給与を支払い、納税し配当することにより存在の意義があるわけです。

前例がないことでも、多面的に検討して、法令的に社会的により問題のない判断をおこなっていく必要があります。

スタートアップ企業には採用に重きを置いて、労務に関して関心の低い経営者が多いのはよくある話です。まずは売上を作るためには優秀な社員を雇う必要があります。そのため多額のお金をかけてでも採用しようという企業も多く、調達した資金の多くを採用広告費に投入するという例は多くあります。

しかし、採用と同時に労務管理体制をしっかり整備運用しないと、せっかく採用した人間も退職してしまいます。多くの費用をかけて採用した社員が、いい加減な労務管理体制に嫌気をさしてやめてしまっては、採用に多くのお金をかけたのにその投資を溶かしてしまったのも同然です。

上場準備をするのに労務管理体制の強化は当然ですが、上場後の継続的な成長のためにもしっかりとした労務管理体制が必要になります。

一緒に貴社の個性を生かした労務管理体制を構築しませんか?

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