2022年4月からこう変わる!人事労務分野の法改正情報【確定版】

街には、はかま姿の大学生や卒業式を迎えた学生を多くみられる季節になりました。新たな巣立ちの季節の4月は毎年いろいろな制度や法律が変わる季節でもあります。人事労務の分野でも法改正に伴いルールが変わるものがあります。4月より変わるもの、見直されるものを取り上げてみます。

1.在職中の年⾦受給の在り⽅の⾒直し

  • 高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額を毎年定時に改定することとしました。
  • 60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、支給停止とならない範囲が拡大されます。(支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準を、現行の28万円から47万円(令和2年度額)に引き上げ。)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html

2.育児介護休業法の改正

  • 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
  • 育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置を講ずることを事業主に義務付け
  • 妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知及び休業の取得意向の確認のための措置を講ずることを事業主に義務付け

制度利用できるように積極的に周知し、休業の取得の有無を聞く義務が生じます。

  • 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件が廃止になります。

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000788616.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf

3.パワハラ防止措置の義務化(中小企業)

大企業にはすでに適用されているパワハラ防止措置の義務化が中小企業に広がります。

主な内容は

  • 事業主の方針等の明確化および周知・啓発
  • 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  • 職場におけるパワハラに関する事後の迅速かつ適切な対応
  • 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること
  • 相談したこと等を理由として解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

4.⼀般事業主⾏動計画の対象事業主の拡大

現在、一般事業主行動計画の策定義務は、常時雇用する労働者が301人以上の企業となっておりますが、令和4年4月1日より対象事業主が拡大され、101人以上300人以下の企業にも策定・届出と情報公表が義務化されます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html

働き方改革をはじめとした労働政策の変革、生産年齢人口の減少に伴う労働需給の変動による労働市場の変化、国民の意識の移り変わりなどを背景に、今年10月以降も法改正が予定されています。

法改正に合わせて就業規則の改定、労使協定の再締結などが必要になります。ご不明な点があればぜひ弊所にお問い合わせください。


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