皆さんは「ハラスメント」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
ハラスメントとはいわゆる「いじめ・嫌がらせ」であり、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント等さまざまなハラスメントがあります。
そんなつもりじゃなかった。は通用しない
「こんなことでもハラスメントになるの?」と思われるようなことがハラスメントになり得るため、自身が気づかないうちにハラスメントの加害者になってしまっている、ということもあり得ます。
「そんなつもりじゃなかった」は通用しないのが現実です。
昨今では新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークが急速に拡大・定着しはじめていますが「テレワーク中のハラスメント」が最近増えています。
オンライン会議中に業務に関係のない説教をする、プライベートな室内の様子を映すことを求める等といったことはハラスメントに該当します。
このようなケースはテレワークハラスメント(テレハラまたはリモハラ)と呼び急増中のハラスメントの一つとなっています。
ハラスメントの相談、増えています
近年では、ハラスメントに関する行政への相談件数が年々増加しています。2019(令和元)年度各労働局等相談コーナーへ寄せられた相談件数は87,570件と過去最多の数にのぼります。(出典:厚生労働省「あかるい職場応援団」都道府県労働局等への相談件数)
こうしたことを背景に、職場内のハラスメント防止対策の強化を目的として、2020(令和2)年6月1日にハラスメント防止に関する法改正が行われ、事業主にパワーハラスメントの防止措置義務が課せられることになりました。
また、セクシャルハラスメントやマタニティハラスメントについては、以前から防止措置義務がありましたが、不利益な取り扱いの禁止や事業主の責務の明確化など防止対策の強化が図られました。社内で講習・講義を開催された方も多いのではないでしょうか。
とくにミドルマネジメント層で、現場のチームリーダーは必ず知っておきたい労務知識です。
あなたがマネジメントなら、知らなければいけない知識です。
この法改正は、中小事業主においては、パワハラの防止措置には2022(令和4)年4月1日から義務(それまでの期間は努力義務)とされていますが、現時点で本改正対応の取組みをしていない場合は、会社内にハラスメント発生のリスクを抱えることとなり早急に対策を進める必要があります。
万が一ハラスメントが発生した場合、初動の対応が非常に重要です。まず隠蔽はもってのほかです。隠したい気持ちはわからなくはないですが、隠蔽しようとする組織体質そのものが問われます。
そのうえで会社側が動きかたを間違えると大きな問題として発展することもあります。そのためハラスメント対策の放置も大変危険な行為です。
昨日は他人事。明日は我が身。
ひとたび職場でハラスメントが発生してしまうとなにが起きるでしょうか
- 従業員の意欲の低下
- 心身の不調や能力発揮の阻害等
といった要因となり得ます。また会社にとっても
- 職場秩序の乱れ
- 本業への悪影響
- 人材の流出
- 社会的信用の失墜等
のさまざまなマイナス要素となります。とくにいまはソーシャルメディア等で拡がると1企業では沈静化できないというレピュテーションリスクもあります。
「ウチには関係ない」「そんなことは起こらない」等とタカをくくっている企業ほど、必ずと言っていいほど足元をすくわれます。
会社として、「ハラスメントは許さない」という確固たる姿勢を従業員や社外に発信することがハラスメントを発生させない対策の第一歩となります。
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