IPO準備における労務デューデリジェンス:管理監督者とは

管理監督者」は労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者をいい、労働基準法で定められた労働時間、休憩、休日の制限の適用を除外された者をいいます。

したがって労働基準法における、時間外割増手当、休日割増手当の支払いの対象とはなりません。(※ただし、深夜割増手当は適用除外されず支給の対象となります。)

管理監督者の要件は

管理監督者」に当てはまるかどうかは、役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断します。

・労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを 得ない重要な職務内容を有していること

・労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを 得ない重要な責任と権限を有していること

・現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないようなものであること

・賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされていること

労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために(厚生労働省)

上場準備企業における管理監督者は

非上場企業は社長に権限が集中しているのが一般的です。しかし株式を上場するにあたっては、さまざまな権限を各取締役や執行役員、本部長などへ委譲していく必要があります。

この際に、各取締役や管理職がどのような権限を持っているか、を示しているのが「職務権限表」と呼ばれるものです。

職務権限表」には人事労務においてどのような権限を持っているのかが明記されており、その表に基づく権限をもって、“労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者”に該当するか否かを判断します。

一般的に裁判で管理監督者性を問われる場合は、なかなか認められることは少ないですが、上場審査に当たっては、その組織運営上、適切といわれる職務権限を有しているとされれば、管理監督者として認められることとなります。

IPO準備期の皆さま

弊所はスタートアップ企業、拡大成長期の企業支援実績を多く持っているため、様々なノウハウがはあります。とくに人事デューデリジェンスを精度高く遂行できる理由は、所長の宮嶋が開業社会保険労務士として、日本で初めて証券会社において上場審査の監修をおこない、その後も継続的に上場準備企業に対しコンサルティングを数多くおこない、株式上場を支えてきたからです。

この領域を強みとする社会保険労務士事務所は、多くありません。

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