システムの論理を、人事制度の設計へ。仕組みで価値を生み出す
T.O
人事制度コンサルティング担当
システムエンジニアとしてERPパッケージの開発に携わっていたT.Oさん。「仕組みを作る」という発想を、人事制度の設計という新たな舞台で生かしている。
入社7年目を迎えた今も、手続き・労務相談から制度構築まで幅広い業務に挑み続ける。技術的思考と現場感覚を併せ持つ、実務のプロに話を聞いた。

エンジニアから人事労務の世界へ──”仕組みをつくる側”で働きたい
長野県出身のT.Oさんは、京都の大学を卒業後、システム会社のエンジニアとしてキャリアをスタートさせた。
「前職では基幹ERPパッケージの開発や導入支援をしていました。最初は会計分野でしたが、その後は人事労務系のシステムを中心に担当していました」。10年にわたる開発業務のなかで、人事・労務の仕組みそのものに興味を持つようになったと言う。
「人事労務システムを作っていく中で、この分野自体が面白いと感じました。システムだけでなく、もっと広い視点で”人と組織の仕組みづくり”に関わってみたいと思ったのが転職のきっかけです」
複数の社労士事務所を訪問する中で、今の事務所に出会った。
「いい意味でカジュアルで、肩肘を張らない雰囲気がありました。スタートアップ企業を支援している点にも惹かれましたね。ここなら幅広い経験が積めると思い、入社を決めました」
システム開発と人事制度設計──異なるようで”構造は同じ”
入社当初はアパレル企業のバックオフィス支援に携わり、各種手続き業務や給与計算などを担当。前職の経験を活かしてシステム関連業務もサポートしていた。転機となったのは、人事評価制度の策定支援プロジェクトだ。
「東北の造船会社で、人事制度を一から設計しました。制度づくりの仕事は、手続きのように”受け身”ではなく、こちらから提案できる点が面白いと感じました」
T.Oさんは、この仕事の魅力を”システム開発との共通点”に見出す。
「人事制度もシステムも、最初の設計が何より大事です。基本設計ができていないと、詳細設計もうまく進みません。等級・評価・報酬を一気通貫でつなぐ仕組みが理想で、その構造はシステム設計とすごく似ています」
人事制度設計は、いわば”組織のプログラミング”。「制度の”上流工程”をデザインする感覚です。全体を俯瞰しながら仕組みを考えるところにやりがいがあります」と、その魅力を語ってくれた。
新たな挑戦を支える職場環境

現在は、人事制度構築に加えて、労務デューデリジェンス(DD)や就業規則、労務相談など、幅広い案件を担当している。
「やる気さえあれば、どんな仕事にも挑戦できる環境です。新人でも”やってみたい”と手を挙げればチャンスをもらえます。逆に受け身だと、少し退屈に感じるかもしれません」
朝型のT.Oさんは、7時半には出社して業務を始める。
「メールやSlackをチェックして、その日の優先順位を整理します。”後回しにしない”のが自分のルール。嫌なことほど先に終わらせますね」。エンジニア時代に培った仕事の進め方が、今も生きている。
残業は多くない。集中して仕事を終えた後は、自分の時間をしっかり確保する。
「早く帰りたいから、早く来て仕事する。シンプルですけど、自分にはこのスタイルが合っています」
専門性を磨き、組織の仕組みを進化させる
T.Oさんが今力を入れているのは、人事制度コンサルティングの強化だ。
「事務所としても、人事制度をより体系的に展開していきたいと考えています。労務DDとの連携や、組織マネジメント的なアプローチを組み合わせて、より実効性のある提案をしていきたいです」
現在は社労士資格の取得を目指し、勉強を続けている。
「本を読んだり情報を集めたりしていますが、今後はそれをきちんとアウトプットできるようにしたいです」
休日はランニングでリフレッシュ。「記録を意識せず、気持ちよく走るのが好きです。30キロ以上走ることもありますが、疲れたら電車で帰ります。走ること自体が目的なので、自由に楽しんでいます」と笑う。
自分次第でいくらでも広がる世界
最後に、これから入社を考えている人にメッセージをお願いした。
「お客様も増えていて、チャレンジできる分野がどんどん広がっています。前向きに動ける人には、これ以上ない環境です。逆に”これくらいでいいか”と思ってしまうと、物足りなく感じるかもしれません」
仕事の面白さも、成長のスピードも、自分次第。T.Oさんの姿勢には、常に”仕組みを作る人”らしい論理と情熱が通っていた。
